行きつく先は君のもと
もう十分すぎるくらい身勝手だ

触れてもいい、触れないでくれてもいい
この温もりは涙は錯覚でしょうか
門出に花はいらない
やわらかい闇の紡ぎ糸
一瞬でもあなたを愛してしまった自分が
もう戻らないのでしょう

ほんの少しの間だよと言ってほしい

マドモワゼル・シンシアの墓
許しが欲しいだなんていつ言った
かがやいた死のにおい
積みあげた瓦礫のベッド
深くて優しい夜のむこうにいる
同胞の鉛
桜の肌、花弁のつまさき
ヨーロピアにもレトロモダンにも棲んでいない
あなたはいなくなるのだと、なぜだかそれだけは分かるような気がした

傾いた夜あけ
きみは答えてはならなかった
茜日の迷い路
誰もかれも春を知らぬ
ほころぶようなみじめさへ
かく儚き様
溶けゆくトパーズ
捨てたつもりぼくらの墓
愛せば霞みの孤独

抜け道が許されるなら
きっと躓いてしまうんだろうな
予定調和のパラダイム
もう盗まれてる
まぼろしの尻尾を切り取った
このままできちんと生きてなんてゆけないね
あさましいほど痛い日々

これ以上は触れないから

ああ花火が上がってしまった
間違えた夢のはずだった
どこまで夢を描いたんだったか

桜とともに散るのを知ってた
あなたの傍では
もしも、あの夏
溶けてゆく世界のどこかにいた

もういらないさよならって言えない
だからほんとは初めから欲しくなかった
早くさよならを言ってしまいたい

少しも期待してないなんて嘘
何度も繰り返される恋なのに
光の裏にはすぐ影がさす
一瞬だけでも輝いた睫毛の先を濡らす恋

この城の外へは行けないんだ
スタンドバイミーと笑えない
まるで本当に此処にあったみたいに
星なんて探さないで
ふたつ目の傷
血のあとも美しい
だから、これからは

ぼくらが殺した神獣
眠りの湖
この夕焼け空の遥か向こうには
痛みはどうやったって愛には変わらないよ
いっそもう粉々に打ち崩して
もうひとつ、あなたの涙が欲しい

最後にはようこそと手招きをして幕が開く

逃げた魚はどこで溺れているだろう
そんな下らないことを言ったのはだれなの
ゆめは砂に消えた

あなたを嫌いにはなれないので
誘惑のこと



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